「冬眠ピアノ」目覚めの響き。自然派ジャズピアニスト河野康弘さん

京都在住のジャズピアニスト・河野康弘さんは、「冬眠ピアノお目覚めコンサート」というユニークな活動を全国各地で行なっています。「冬眠ピアノ」とは、使われていないピアノのこと。誰にも奏でられることなく、眠るように置かれたままのピアノを、河野さんは愛情を込めてそう呼んでいます。

一説によれば、日本中にあるピアノの台数はおよそ450万台と言われているそうです。驚くことに、そのうち、使用されているのはたった3割なのだとか!

「山の木を伐採して製造されたピアノが眠っているなんてもったいない。使われなくなったピアノを必要な人のところへ届けよう!」

河野さんはチャリティーで費用を集め、国内外にピアノを寄贈しています。その数はなんと、現在298台! 寄贈先は10カ国にも及びます。その中の293台目のピアノが、伊達市長和の自然食レストラン、食愛カフェ皆花(みなはな)に設置されています。

  長万部から皆花にやってきた元「冬眠ピアノ」。河野さん(左)と店主のminaさん(右)

河野 康弘さん プロフィール

奈良県生駒市出身。高校卒業後ピアノを始める。21歳で矢沢永吉バンドのキーボードとしてプロデビュー。中村雅俊、芹洋子の伴奏をつとめた後、本来やりたかったジャズピアニストとして東京近郊のライブハウスで演奏。’91年湾岸戦争をきっかけに母の故郷を流れる四万十川を題材に組曲「四万十川」全10曲を作曲し平和と環境をテーマに活動をはじめる。’94年、ベルギー王国で開かれたブリュッセル・ピアノフェスティバル参加を初めとして南アフリカ共和国、イスラエル・パレスチナ自治区、中国・内モンゴル、タイ王国、ベトナム、など世界へ活動を広げる。
 現在「ジャズ」というジャンルにとらわれず独自の音楽を開拓し「ダイナミックなプレイ」と「素朴な語り」、スタンダードから童謡までジャンル・年齢を越えて、音楽の楽しさすばらしさを感じてもらうコンサートを展開中。(以上公式HPより)

河野さんの奏でる冬眠ピアノの音色を聴いてみたくて、皆花で開催されたライブに伺いました。ジャズやクラシックからポップス、童謡まで、様々なジャンルの曲が続きます。子どもが知っている曲も多く、親子で一緒に口ずさむ微笑ましい姿も。

会場を包み込むような、あたたかく、透明で深いふか〜い響きに、思わずちょっと、涙が出てしまいました。忘れていた大事なものを思い出すような、不思議な響き・・・。しみじみと耳を傾けました。

  河野康弘ジャズピアノコンサート@皆花での一コマ(2018/11/18)

面白いのは、河野さんのコンサートは「参加型」。つまり、しっとりと聴いているだけでは終わらないのです! 第二部が始まると、お客さんたちが河野さんに誘われて次々にステージへ。筆者もピアノの前に座ったのですが・・・「あの・・・私、ピアノ弾けないですよ??」とおそるおそる。

河野さん:どんな弾き方でもいいんですよ 🙂  グーでもパーでも、乱暴でなければ。ピアノはこうやって弾かなきゃいけない、なんて誰も決めていないでしょう? 「ピアノはこう弾くものだ」なんていう常識に縛られずに、自分のアイデアで気軽に、自由に楽しみましょう!

という訳で、河野さんの朗らかな笑顔に励まされ、童心にかえってグーの手で弾いてみました! 
鍵盤の滑らかさ、重さ・・・聴いているだけではわからないものですね。そして、ピアノは生きているんだな、と思いました。

さて、コンサートの余韻冷めやらぬその翌日、河野さんにお話を伺いました。

河野さん:ピアノは、山の木からできているから、とっても長持ちなんです。100年以上使える、と言われているんですよ。私の故郷には、千年以上も昔に作られた木造のお寺がありますが、そのくらい、木は丈夫なんですよね。

だから古くなったから処分するのではなくて、直してあげてほしいな、と思うんです。

最近は使い捨てが当たり前になっていますが、そんなことを続けていたら、世界中がゴミだらけになってしまいます。海も山もゴミだらけになれば、そのゴミで私たちが病気になる— それってとっても変でしょう?

自然を大切にすることは、実は、自分を守ることなんですよね・・・

河野さんが環境や平和をテーマとした活動をするようになったのは、1991年の湾岸戦争がきっかけでした。その年に制作した組曲「四万十川」には、河野さんの故郷を流れる美しい川の、雄大でかけがえのない自然が表現されています。翌年からは「冬眠ピアノ」のプロジェクトがスタートしました。

河野さんのファースト・アルバム『ピース』

河野さん:僕が一番最初に作ったアルバムは「PEACE」(1983年)というんです。「平和がいいな」というのは以前から漠然と思っていたんですが、湾岸戦争の時、日本が経済支援や自衛隊派遣という形で戦争に参加したのが本当に嫌だったんですね。それで、テレビを見ながら怒っていたんです。

そしたら妻が、「怒っていたって仕方ないじゃない」って、叱られちゃって(笑)
でも本当にその通りで、何かを批判したり文句を言うのは簡単ですが、実際に行動するのは大変なことなんです。

ピアノを送るのには多額の輸送費がかかるんですが、それはチャリティーで集めているんです。プロジェクトを始めたばかりの頃は、募金活動なんてしたことないから自分にできるのかな、なんて思っていましたが、やってみたらできた。

行動すること、そして自分の頭で考えることがとても大切だと思います。

  ゲストの詞人くまさんによるインスピレーションメッセージ。コンサートの参加者全員との共作!

環境破壊、放射能、戦争、食の安全、教育・・・など、様々な問題がありますが、「一番大切なのは、ひとりひとりが自分の頭で考え、判断すること」と河野さんはいいます。

正しいと言われていることや、常識を鵜呑みにせず、「当たり前」に対して疑問を持つこと。

お話を伺いながら、自分の中にあるたくさんの思い込みや常識、なんにも考えずにしている日常のあれこれが浮かんで、ちょっと、いやかなり反省した筆者です。ピアノの弾き方だって、実は正解や決まりはないのですから。グーで弾いたら新しい見かた、自由な考えに目覚めるかも! 

河野さんの活動の詳細は公式HPでご覧ください。
 http://www.geocities.jp/wahaha1113/y-kono/index.html


直近のコンサートのお知らせです。気軽に自由に、音楽を楽しみましょう♪ 
お子さん連れの方にも超おすすめですよ〜 🙂 

河野康弘ジャズピアノコンサートin〜皆花〜VOL.6

開催日:2019年1月27日(日)
時 間:開場18:00   開演19:00(終演21:00 予定)
会 場:食愛カフェMina*Hana〜皆花〜(北海道伊達市長和508-5)
参加費:投げ銭(ドネーション形式。お気軽にどうぞ)
出 演:河野 康弘
ゲスト:shasha(ギター&ボーカル)・角田弥生(篠笛)・西條広大(ボーカル)
    詞人くまさん(インスピレーションメッセージ)

ライブ詳細はこちらからご覧ください↓↓
https://www.facebook.com/events/2116470508415624/?ti=icl

主催・会場・お問い合わせ
食愛カフェMina*Hana〜皆花〜
伊達市長和町508ー5(旧 ちゃーしゅー工房)
TEL 08040463787(ミナハナ)
通常営業時間 12時〜22時(不定休)


記事の内容は取材時の情報に基づいています。
(取材 2018年)
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chそらみ編集部

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