パラスポーツを楽しもう!ガチパラ!Vol.2 in 伊達レポート

2017年12月10日(日)、伊達西小学校体育館で「ガチパラ!Vol.2 in 伊達」が開催されました。

「ガチでパラスポーツ!」略して「ガチパラ!」。2020年開催予定の東京パラリンピックに向け、北海道の人にパラスポーツ(障がい者スポーツ)をもっと知って楽しんでもらうことを目的としたイベントです。
なんと北海道の全179市町村をめぐろうという壮大な計画!
今年2017年9月に開催された岩見沢市でのVol.1に続く2市町村目のこの日、体育館には道内のアスリート達が集いました。今回出場した主な種目は

  • ウィルチェアーラグビー
  • 車いすテニス
  • アンプティサッカー
  • シッティングバレーボール

体験コーナーの他、デモンストレーションやトークショー、ド迫力のエキシビジョンマッチが行われました。


 自分たちが動いて発信すること! 実行委員長・池崎選手 


「ガチパラ!実行委員会」委員長を務める池崎大輔さんは、ウィルチェアーラグビーの日本代表選手。2016年のリオパラリンピックでは銅メダルを獲得しました。今回は自身が所属する国内屈指の強豪チーム「北海道Big Dippers(ビッグディッパーズ)」を引き連れ、伊達にやってきました。
現在アメリカのチームで武者修行中だという池崎さんに、「ガチパラ!」への思いを伺いました。

パラスポーツは自分たちが動いて発信しないとなかなか広まらないし、発展するのも難しいということがあります。
競技をやって、勝ち負けというのはもちろん大事なんですが、それだけでなく、みんなで盛り上げたい、みんなの理解を得たい、と思うんです。
そのためには、発信することが大事なんですよね。
僕たち選手だけで大きくなるとか普及する、いい環境を作るというのは難しい。やっぱり協力してくれる人が必要です。
支えてくれる人、地域の人、地域の行政の方だったりとか、そういう人たちがいるからこそ、自分たちが活動できる環境というのが手に入るんです。

「ガチパラ!」は、そういう、人と人との繋がりや、地域でパラスポーツをやっている人同士を繋げるとか、そういうきっかけになればと思って開催しています。

障がいを持っている方で、地域で何をしていいかわからなかったり、スポーツが好きだけれどなかなか自分の住んでいるところでする機会がないという方もいます。
そういう人たちが、このイベントに足を運んでもらって、これ面白いな、やってみようかなという機会になったり、選手の発掘だとか、いろんな意味を込めています。」

池崎さんやビッグディッパーズメンバーの車イス、金具などがボコボコになっているのです! ウィルチェアーラグビーはパラスポーツの中で唯一車いす同士のタックルが許されている競技。どんどんぶつかってプレーするのでこんなに傷ができるのですって。もちろん、元々は傷ひとつないピカピカの車イス。池崎さんが現在使用しているもので1年と数ヶ月くらいなのだとか。まさに「戦ってきた傷跡」!

日本のウィルチェアーラグビーは強くなりました。今までは7位とか、8位とか、ずっと4位を継続しつつもリオでは3位になれた。
メダルを取るための環境ができたということだと思います。
環境というのは、支えてくれる人が増えたり、支援が増えたりとか、活動ができるための環境が整った、ということです。
そういうことが繋がっていって、資金源があれば遠征に行ったり合宿に行ったりできますし、活動範囲が広がるんです。
つまり、「メダルを取る力」をつけるための環境。
その中で選手が練習をして、それが結果に繋がったのではないでしょうか。

次は、東京ですね!

そうですね。選ばれるためにこれから3年間頑張って、選ばれたらもちろんリオ以上の結果を出せるようにやっていくつもりです。
現在はアメリカのチームに入って武者修行中なのですが、得るもの繋がるものがすごく大きいです。英語は喋れないんですけどね。でも行けばなんとかなりますよ!

池崎大輔さん プロフィール
1978年函館市生まれ。2009年7月に北海道Big Dippersヘ入団し、10年には日本代表に選ばれる。
同年8月World Championships(カナダ)に出場し、3.0クラスベストプレーヤー賞受賞(日本代表チーム3位)。11年IWRFアジア·オセアニアソーン選手権(韓国)出場。3.0クラスベストプレーヤー賞受賞(日本代表チーム2位)。12年ロンドン·パラリンビツク出場(日本代表チーム4位)。14年World Championships(デンマーク)出場。(日本代表チーム4位)。15年三菱商事2015 IWRFアジアオセアニアチャンピオンシップ出場。3.0クラスベストプレーヤー賞及びMVP受賞(日本代表チーム優勝。ブラジルリオデジャネイロパラリンピック出場権獲得)。16年リオデジャネイロパラリンピック出場。日本代表チーム銅メダル獲得。(ガチパラ!VOL.2 パンフレットより抜粋)

北海道ビッグディッパーズ


 パラスポーツを体験! 


ではでは、体験コーナーへ!パラスポーツって障がいのある人だけでなく誰でも参加して一緒に楽しむことができます。
子どもも大人もレッツ・エンジョイ 🙂 

こちらは車いすテニスのコーナー。
車いすテニスは、ネット、コート、ラケット共に一般テニスと一緒のものを使用します。
ルールもほとんど一緒で、2バウンドまでOKというのが特別ルール。コートとラケットが一緒なので、健常者も一緒にプレーできるところが魅力です。
テニス用の車椅子は、タイヤが八の字に傾いていてブレーキがありません。ものすごいスピードが出ますが腕でガシッと抑えて止めます。スピードコントロールを上手くするためには、車いすを操る「チェアワーク」を練習するそうです。

北海道車いすテニス協会の皆さんによるエキシビジョンマッチでは、車いすvs車いすのシングルと、健常の人も混じってのダブルスが行われました。

北海道車いすテニス協会
http://hwtatennis.net/
会員募集中!用具のない方もお気軽にご相談ください。

続いてアンプティサッカー
「アンプティ(amputee)」とは「切断した人」という意味。
腕または脚に切断や障がいを持つ人のサッカー種目です。腕に切断または障がいのある人がゴールキーパーを務め、脚に切断または障がいのある人がその他のフィールドプレーヤーです。日本で普及し始めたのは2010年頃からで、国内での認知度はまだあまり高くないようです。 この日参加した「アシルスフィーダ北海道 AFC」は、道内唯一のアンプティサッカーチーム。小学生から大人まで10人ほどが所属し札幌を拠点に活動しています。
早速やってみると、蹴る時には体が宙に浮いた状態になるのでコントロールが難しい!体を杖で支えるのが重くて難しい!これで走るなんてとても・・・ものすご〜く運動不足なchでした 😯 (上画像はchではありません。)
チーム代表の能島さんにアンプティサッカーの魅力を聞くと、

「まずはとっつきやすさですね。
障がい者スポーツはとっつきづらいんです。一つのネックになっているのが装具で、非常に高価だったり、揃えるのが大変だったりします。
でも、アンプティサッカーには専用の器具がありません。
選手達は日常生活で使用するのと同じクラッチ(杖)でプレーしています。
それに、アンプティサッカーは障がい者スポーツの中でも非常にアグレッシブな競技なんですよ。見ていてとっても面白いです!!」


 楽しくスポーツのできる環境を作ってあげたい!前田選手 


アシルスフィーダのゴールキーパー・前田和哉選手は、北海道にアンプティサッカーを持ち込んだ人!
道内出身の前田さんは関東で生活していた20代の頃、職場で労災の事故にあい片腕を失いました。2010年に日本で初めて開催された体験会に参加したのがきっかけでアンプティサッカーを始め、日本代表に選ばれW杯へも出場しています。2013年に北海道に戻り、チームを結成しました。

「当時、事故して一年くらいで、スポーツも何もやれてない状況でした。
自分が今まで障がい者になると思っていなくて、21歳くらいで急に事故にあって、自分が「かわいそう」というか、何もできなくなってしまったような感じがありました。
アンプティサッカーの体験会に行った時に、自分よりも重度の人が障がいを自ら受け入れ思いっきりスポーツを楽しんでいる光景を目の当たりにして、障がいがあるからできないとかじゃなくて、したいことをしてもいいんだ、楽しいことはみんなと変わらないんだ、と思ったんですね。
そこから自分もスポーツや家族と遊んだり外でたり、楽しいことを自発的にできるようになりました。」

北海道に広めようと思ったのは?

「自分と同じような境遇でスポーツをやれてない人や、スポーツする場がない人たちに環境を提供してあげたくて、北海道に帰ってチームを作ろうと思いました。
それが「ガチパラ!」のようにいろんな活動をしている人たちとつながって、みんなが独自に頑張ってきた個々の点が、今こうやって集まりだして、少しづつまとまった活動になって注目を集めてきているのはとても嬉しいです。
今回は大きな意味があったなと思いますし、私たちもできる限り協力したいです。アンプティサッカーは現在パラリンピック正式種目ではないのですが、今後、正式種目に採用される可能性は大きいです
でも採用されなかったとしても、こうして子供たちが楽しんでくれている、まずはそこでいいかなと思っています。
国際舞台とかでなくても、子供たちが楽しくスポーツのできる環境を、大人が作ってあげなくては、と思うんです。
環境作りからしっかりしてあげたいですね。」

アシルスフィーダ北海道 AFC
https://asilsfida-hokkaido.wixsite.com/amputee-fc

池崎選手も話していましたが、「環境」ってとても大切な要素なのですね。
楽しむ、あるいは能力を伸ばすために「環境」をいかに整えるか・・・選手、サポーター、みんなで考えて、発信していく。
そういう取り組みが人の繋がりを生み、パラスポーツのさらなる普及につながってゆくのでしょう。


 「地元でシッティングバレーボール広めたい!」風間さん 


さて、会場にひときわ明るく元気な声が響いていました。声の主は、今回唯一の地元選手、風間みさよさんでした。
シッティングバレーボール
は、座った姿勢で行うバレーボールです。立位バレーボールに比べ、コートが狭かったり少しルールが異なりますが、基本は同じです。常に床にお尻を接触させてプレーしなければならず、サーブ、ブロツク、アタックなどで立ち上がったり、飛び跳ねたりすると反則になってしまいます。

風間さんは登別出身で伊達在住。数年前にシッティングバレーボールと出会い、全日本の合宿や、東北シッティングバレーボール交流会にに参加し、2014年には初級障がい者スポーツ指導員の資格を取得しました。
目標は、この地域でチームを結成すること!伊達・登別・室蘭にシッティングバレーを普及させたいと話します。

「シッティングバレーボールの魅力は、体ひとつあればできるところです。
車イスを使う競技は、いつも乗って練習している人とのレベルの差が出てしまいますが、シッティングはそれがありません。
障がいのあるなしに関係なく楽しめます。
それから年齢層も幅広いです。「私もう〇〇歳だから」と諦めなくていい。強い選手で40代後半という方もいるんですよ。」

高校生の時に怪我をして車イスを使う生活をするようになった風間さん。辛さをどのように克服したのでしょうか?

私は怪我しましたが、「障がいがあるから不幸だ」とは思わないんです。
不幸ではないけれど、不便。
大変だし苦痛だし辛いけれど、それが不幸の元になるわけではないんです・・・

ただ、地域の障がいへの認知度ってまだ低いな、というのはよく感じます。
「えっ車イスの人ってそんな外に出るの?」という反応されることがよくあります。
電動の車イスで外出している年配の方はよく見かけますが、若い人ってほとんどいないんですよね。
パラスポーツを通して、そういうところも変えていけたらいいですね。

まずはチームを作って定期的に練習をすること。そしていずれは大会なども開催したいです。
こんなに広い北海道だから、きっとできると思うんですよ!

現在、風間さんは登別・室蘭・伊達近郊の体育館などで練習をしていますが、悩みのタネはなかなか練習場所が見つからないこと
体育館によっては、バレーがやれる時間が決まっていたり、壁打ちができない、一般球を使わせてもらえない、ということも。
また利用するためには何人以上など、様々な条件があることも。
練習環境の確保。まずはここをクリアすることが課題となっているようです。

会場で行われた風間さんと「ガチバラ!」実行委員長・池崎大輔選手(ウィルチェアーラグビー日本代表)の対談で、池崎さんはこんなアドバイスをしていました。

 選手だけでも、地域だけでもダメで、いかにファンを獲得するか?というのが大切になってきます
パラスポーツ普及のために選手として必要なことは、イチに結果を出すことです。
結果を出せば人の心を動かすことができる。熱意と結果が評価になるんです。
沢山の支えがあったから今の自分があるのですが、まずは支えてもらえる 「自分」を作ることなんですね。
そこまでの力をつけると、次第に環境も整ってくると思いますよ。(池崎さん)

いやーーーー深い・・・・。
これってパラスポーツに限らずいろんなことに当てはまりませんか?仕事や子育て然り、勉強、趣味の活動然り。
ハンディを抱えながら自分の限界を超えて努力した人でないと語れない言葉だよなあ、、、と心の中で激しく頷きつつ、背筋の伸びる思いでした。

さて、現在、風間さんは一緒にプレーする仲間を募集しています。障害の有無に関わらずどなたでも参加できますので、興味のある方は風間さんにお問い合わせください。

シッティングバレーボール 参加者 募集!!
問い合わせは風間みさよさんのウェブサイトからどうぞ↓
http://harukimanabe.wixsite.com/misayo-sport-hobby

 パラスポーツファン続出!?「ガチバラ!in伊達」 


最後はメインイベント!!ビッグディッパーズメンバーによるエキシビジョンマッチが始まりました。
ウィルチェアラグビーは、1チーム4名でバスケットボールと同じ広さのコートを使用して行います。通常のラグビーと違い、男女混合で競技するほか、前方へのパスが認められています。

車いすのぶつかり合う激しい音が、体育館中に響き渡ります。振動がこちらまで伝わってくるほど・・・手に汗握って観戦。
チェアワークの目にも止まらぬ素速さ!細やかな動きとぶつかり合いの激しさがダイナミックです。

激しいタックルやチェアワークのため、プレー中のパンクや転倒は日常茶飯事なのだそうです。
その度にメカニックやスタッフがコートに入ってサポートやメンテナンスします。制限時間は1分以内。ベンチには予備のタイヤがたくさん用意されていました。

試合後の選手たち。「こういう時ってガッツポーズ、よくするでしょ。でも僕らは手が動かないからこんな感じで、、ブラックジョークですよ!」
皆さん、ガチでカッコイイです!!

発信する・伝えること、環境を整えること、出会い・繋がり・・・

そういうことの大切さを、パラスポーツからたくさん教えてもらった一日でした。障がいがあるから「特別」だとか「違う」、とかではなくて、通常のスポーツと全く同じ。それがベースで、その上に車イスのタックルだったり、アンプティの激しさだったり、パラスポーツならではの面白さがある。
ガチンコ勝負の鬼気迫る様子に、すっかりファンになってしまった人、多いんじゃないでしょうか・・・chもその一人です!アスリート達のオープンマインドな人柄も半端なく素敵でした。

地元ボランティアとして会場確保等に協力した手塚広幸さんは、地元アスリートの風間さんに参加してもらえたことがとても嬉しい!!と話していました。

今回偶然、伊達でもやっている人がいることを知り、風間さんに参加していただくことができました。いちばん望んでいる方に届いたことがとても嬉しいですね。

人と人との出会い、そしてつながりを作るという意味で、「ガチパラ!」は潜在能力の高いイベントだと思います。
実行委員の皆さんには馴染みのない街での開催で不安もあったと思いますが、一つのモデルになれたらいいなと思います。これからも応援していきますよ!

※手塚さんが手にしているウェアはパラスポーツ応援すブランド「REAL HERO」。売り上げは障がい者スポーツ支援に使われます。

次はどの市町村で開催するのでしょう??お近くの市町村に来たら、家族やお友達と目一杯楽しみながらパラスポーツを応援しましょう!


「ガチパラ!」詳細はフェイスブックページをご覧ください↓↓

https://www.facebook.com/gachipara/


★記事の内容は取材時の情報に基づいています。(取材2017年)
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chそらみ編集部

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